資源の新しいルートを探るメディア

INTERVIEW

PROJECTS

WORDS

ABOUT US

CONTACT

SHARE!

おすすめの記事

WORDS

コンポストコンポストコンポストコンポストコンポストコンポスト

SHARE!

コンポスト

コンポストとは?わかりやすく解説

突然ですが、日常的に出る生ごみをどう処理していますか?都会に住む人の多くはそのままゴミ袋に入れて燃えるゴミとして捨てているかもしれません。コンポストとは、その家庭の生ごみを堆肥という有機資源に変えることができる方法です。この日本でも古くから行われている生活の知恵を今回ご紹介します。

コンポストとは?わかりやすく解説

コンポスト(Compost)」の意味は“堆肥(たいひ)”です。

コンポストとは、家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させ、堆肥になった状態のことです。堆肥そのものだけでなく、堆肥をつくる容器も「コンポスター」などと呼ばれています。
そもそも堆肥とは、有機物を微生物に分解させて、その栄養を植物が吸収しやすい状態にしたもののこと。家庭菜園やポットで野菜やハーブを育てたことのある人には馴染みのあるものかもしれません。

コンポストの仕組み

コンポストの仕組みは、生ごみや落ち葉などの有機物を、土のなかに住むミミズ、ダニ、菌類、細菌類などの分解者が食べて分解します。さらに有機物を入れれば、この分解が進み、分解者の増殖とともに、堆肥化が促進されるというサイクルができます。

定期的にコンポスター内をかき混ぜて空気を入れたり、虫や細菌類が好きな生ごみを入れたり、活性化させるために菌を入れて温度を調整するなど、分解を早めるためにはそのための恒常的なコンポストと、コンポスター内のお手入れが必要になってきます。

生ごみがコンポストになるまでのプロセス
①生ごみなどの有機物質と土、発酵促進剤などをコンポスト容器に入れてよく混ぜる。
②保温と保湿に注意して一定の時間が経つと、微生物の働きが活発化して有機物質が分解されて発酵する。
③発酵が進み、堆肥として完成。

コンポストのメリット

コンポストのメリットは、家庭や個人レベルのものから、地域社会や地球規模まで、様々なレベルで循環型サイクルを生み出します。下記のメリットを見てみましょう。

・家庭ごみの削減につながる
・二酸化炭素の排出を削減できる
・食料サイクルができる
・生ごみを捨てるときに使うビニール袋が必要なくなる
・栄養豊富な無料の堆肥を自作することができる
・堆肥は家庭菜園や花の栽培に活用できる
・堆肥でできた野菜や果物はおいしく、安心して食べられる
・環境などに関心を持つきっかけになるなど、エコ活動として気軽に参加できる

image8

画像引用:特定非営利活動法人 循環生活研究所「ローカルフードサイクリング」 https://www.jun-namaken.com/lfc/

コンポストは自作可能?作り方・使い方は?

まず、コンポストを始めるためには、コンポストをするための道具であるコンポスターの用意が不可欠です。都市型の生活スタイルでも採用しやすいお手軽なものから、地面に直接設置するものまで、代表的なコンポスターとその使い方をご紹介します。

設置型コンポスト

image3

久喜宮代衛生組合 http://www.crt-kuki.miyashiro.saitama.jp/pdf/namagomi-compost.pdf

上蓋から生ごみを投入するタイプの屋外設置型のコンポスターです。庭の土を掘り、コンポスターの下の部分を埋めます。生ごみのほか、庭の落ち葉や雑草なども入れられます。

回転式コンポスト

生ごみや落ち葉などを入れて、容器ごと回転させるタイプ。回転させることで堆肥化に必要な酸素を効率よく供給するメリットがあります。屋外設置で時間とともに風化すると共に、丁寧に扱わないと取っ手などの付属品が壊れてしまうこともあるので注意が必要です。

密閉型コンポスト

image2

愛媛県東温市 https://www.city.toon.ehime.jp/site/141/1869.html

密閉した容器に生ごみとぼかし(米ぬかや発酵促進剤など)を入れて、ゴミを発酵させます。生ごみは分解されないので、土に移して1か月ほど分解させる必要があります。嫌気性のタイプで強い発酵臭を悪臭と感じる人も多いため、マンションのベランダなど、周囲と生活環境が近い場所では注意が必要です。

ダンボールコンポスト

image7

福岡県筑紫野市 https://www.city.chikushino.fukuoka.jp/site/gomi/8358.html

ダンボールに資材を入れ、生ごみを投入してよくかき混ぜるだけの一番リーズナブルで簡易的なタイプです。最後に3週間ほど熟成させます。初期費用がほぼ無料、もしくは安価で作り方が簡単なコンポスター。簡易的なものであるため、ダンボールは2~6か月ごとの交換が必要になります。

LFCコンポスト(バッグ型)

sub1

LFGコンポスト https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000282.000021621.html

LFCコンポストは、ファスナーの付いた専用バッグに基材を入れ、家庭の生ごみを投入してよくかき混ぜるだけの、「都会型」コンポスター。コンパクトで都会のベランダでも利用可能です。見た目にもおしゃれなバッグで型で、素材はペットボトル・廃プラスチックを再生生地にしたものなどが市販で売られています。

電動生ごみ処理機

電気を使い、温風で生ごみを乾燥させて堆肥化、炭化させるタイプのコンポスターです。資材を入れ自動で回すタイプなどもあります。室内に設置できて手軽な反面、本体が高価で電気代がかかり、作動音がするというデメリットもあります。

ミミズコンポスト

ミミズが大活躍する容器のコンポスターです。生ごみを投入すると、ミミズが生ごみを食べて分解してくれます。ミミズは食べものの好き嫌いがあるので、柑橘系など入れない方がいい生ごみがあります。

コンポストのデメリット

ここでは、コンポストのデメリットについて3点ご紹介します。

【コンポストのデメリット①】ゴキブリなどの害虫が湧く可能性がある

生ごみを入れすぎたり、玉ねぎの皮や卵の殻など、分解が進みにくい生ごみを入れると、臭いの原因となることがあります。臭いは発酵がうまく進んでいないサインでもあり、結果的にゴキブリなどの害虫を寄せることにも繋がります。
こういった悪臭や害虫の発生を防ぐためには、コンポストを下からしっかりかき混ぜることや、肉類や魚類などのタンパク質の投入を控えることをおすすめします。

また、虫がわかないタイプのコンポスターも売られているので、そういった設備面で害虫予防をすることも可能です。

【コンポストのデメリット②】入れてはいけないものがある

生ごみや有機物であれば何でも入れていいと思いがちなコンポスト。実はコンポスターの中で分解の働きを促してくれる生き物たちは何でも分解できるというわけではありません。
入れる有機物の種類や状態によっては、悪臭の発生に繋がったり、分解が遅く堆肥になるまでの時間がかかってしまう原因になります。

そこで、入れない方がいいものをご紹介します。

<入れない方がいいもの>
貝殻 / 栗の皮 / タケノコ、トウモロコシの皮 / 塩分が多い調味料(日々口に入る程度の量であればOK)/ 生ごみ以外のもの / 雑草、生花 / 牛骨 / 豚骨 / 貝殻 / 灰 / 木材 / 竹 / ビニール / 紙

【コンポストのデメリット③】堆肥になるまで時間がかかる

生物の力で生ごみを分解させ、ほぼ無臭な堆肥へと形を変えるコンポストは、それなりに時間がかかることもデメリットです。

地域環境や季節や気候などにも影響され、夏場なら約1ヶ月とも言われています。おおよそ約2ヶ月間生ごみを入れ続けたあと、3週間の熟成をすることで堆肥ができあがります。さらに、生ごみの投入期間は毎日入れる生ごみの量によっても前後します。(※生ごみ300〜400gを毎日コンポストした場合)

また、コンポストを初めたばかりの1〜2週間は、分解が始まるまでの期間で、ほとんど変化を感じないこともあります。

まとめ

堆肥は肥料として野菜や果物を育てるために役立ちますが、土壌の改善や土中の微生物を増やすことにもとても有効的で、日本でも古くから使われてきました生活の知恵です。

今回ご紹介したコンポストは、最近では家庭から出される生ごみを利用して作った堆肥を指すことが多く、日々の生活でごみの削減の取り組みになったり、自家栽培のきっかけになると注目されています。地域の自治体によっては、登録販売店からコンポスターの購入をする場合、購入費の一部を助成している場所もあります。
札幌市:生ごみ堆肥化器材等の購入助成《※電動式を除く》

さらに、現在ではコンポスターで自然分解が可能な新素材も世界各地で生まれています。コンポスト可能なゴミ袋もその例です。

ダイセルでは、環境に優しく柔らかい触感を持つ酢酸セルロース真球微粒子「BELLOCEA®」を開発しています。BELLOCEA®は、当社の長年の主力製品である酢酸セルロースを独自の技術で加工した真球状の微粒子です。酢酸セルロースは天然に存在する「酢酸」と、植物由来の「セルロース」を原料とした環境にやさしい素材で、土壌やコンポスト(廃棄物中)のほか、海洋でも生分解されることが確認されております。

sub2

BELLOCEA®をリキッドファンデーションに含有した際の塗布性の比較

コンポストは、個人だけでなく、広く地球環境や持続可能な食の循環にも良い影響があるといえます。コンポストを巡る、ローカルなエコのサイクルがますます広がることを期待しています。

  1. HOME
  2. WORDS
  3. コンポスト

| PICK UP INTERVIEW | PICK UP INTERVIEW | PICK UP INTERVIEW | PICK UP INTERVIEW | PICK UP INTERVIEW | PICK UP INTERVIEW | PICK UP INTERVIEW